room207
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PROGRAM : House
CONSTRUCTION TYPE : renovation
LOCATION : Fukuoka City
AREA : 82m²
BUILDER : EX works Co.,Ltd.
FURNITURE : MEGURI
PHOTOGRAPHY : YASHIRO PHOTO OFFICE

「暮らしのシルエットと時の居場所」

福岡市南区のマンションのリノベーションプロジェクトです。
room207は、L字型の2面バルコニーを持ち、その2面が東→南→西の陽光に沿うように設置され、日中はどの時間帯も室内に光が射す高いポテンシャルを持っていました。
そのポテンシャルを助長するような設計を目指し、室内のどこにいても、その陽光を感じられること、暮らしている人やモノのシルエットを感じられること、そしてそれらの光と影をリフレクトさせることで、陽光の移ろい(時間)や暮らしぶりという"現象を空間化"しました。

room207の中央に位置する室の壁や建具については、FL+900までを腰壁とし、その上部をツインカーボ板で設え、陰影を透過させることで、暮らしのシルエットを他の居場所に知らせることができると同時に、光を透過させroom207の深部にまで明るさを提供することを可能としています。腰壁の存在は住人同士のプライバシーを保つ手立てとなります。
また、L字型バルコニー沿いの壁仕上げは、マンション外壁と同色を既存吹付断熱に直接塗装することでroom207の圏外の存在を室内に引き込み、バルコニー沿いの居間や縁側が室内外両方の属性を持つ空間になりました。暮らし方によってroom207の境界が変質するおおらかさを獲得しました。
具体的には、東側にバルコニーと床が一続きの居間を設け、バルコニーの拡張空間としてメインの居場所を設え、西側にはFL+400の高さの縁側を設けることで、既存サッシを解放すると西側バルコニーと一体の縁側となります。その縁側は個室側から活用することで座卓となり、そこで読書や勉強する机に変用したり、腰掛けに変用したりと、様々な暮らし方の受け皿となる空間になります。
room207の深部にあたる、玄関と水回りの箱をシルバー塗装することで、室内の奥にまで透過された、光やシルエットをリフレクトさせています。そうすることで、この家での家族の暮らしの現象を空間化させる一助としました。
また、陽光のない夜間には、室内の人工照明によって、陽光の役割がバトンタッチされます。夜間に人が活動する居場所には必ず灯りがあります。その灯りの下に人は活動し、その光と影を他の居場所へ伝えます。room207のどこにいても、どこかで誰かの光と影を感じられるという意味では、ワンルーム空間だと言えます。
これから家族がここに移り住み、数え切れないほど、陽光は移ろいを繰り返します。家族の暮らしとモノは月日と共に変化を続けます。
それらあらゆる現象が空間化され、一瞬たりとも同じ瞬間のない、ささやかで貴重でありふれた暮らしの光と影で充ちるroom207になったのです。